銀行員は「定時で安泰」は終わる?AIがもたらすリストラという退社時間

これからを生きる


かつて銀行員といえば、一生安泰で、公務員と並んで親としては就職させたい仕事で人気の職種でしたよね、しかし、そんな安心安全な銀行が、今となってはAIやロボットの躍進によって脅かされている職業なのはご存知でしょうか?

就職活動中の学生は「銀行は定時上がりって聞くし、入れば安泰だから」という理由で目指している人は多くいるのではないでしょうか。

メガバンクでも大幅な人員削減が発表されたことも記憶に新しいですが、なぜそうなったのか、銀行にはどんな業務があって、それをAIやロボットにどう奪われるのか、どの程度奪われるのか解説していきたいと思います。

現在銀行で働かれている方にも、リストラの可能性はあるのか、自分の仕事は大丈夫なのか気になるところですよね。それでは見ていきましょう。

銀行の主な業務


銀行は主に、大きく分けて次の3つの業務があります。

  1. 預金業務
  2. 融資業務
  3. 為替業務

です。それではこの3つがどういったものなのか簡単に見ていきましょう。

預金業務


個人や企業を問わず、普通預金、当座預金、定期預金などの銀行口座でお金を管理します。お金を預けたり引き出したりと、預金を管理する業務です。いわば財布多くの方の財布代わりにと言えます。

融資業務


資金を必要としている人にお金を貸し出しする業務のことです。貸し出した元本に対して利息を受ける事で利益を得ています。事業を営む経営者に事業資金融資を貸し出したり、個人に向けては住宅ローンやマイカーローン、教育ローンなどでお金を貸し出したりしています。

為替業務


小切手や手形の受け取りを個人、企業に代わって受け取ったり、他銀行への送金を行なったり、それを海外に送金したりといった業務の事です。自動振込、インターネット間の送金などもこれに当たります。

これらの3つの業務に加えて、平成10年から解禁になった投資信託の販売や、平成14年から解禁になった生命保険の販売、平成19年解禁の保険商品の販売などの、金融商品の販売と言う業務があります。

しかし、元々は保険は保険会社、投資信託は証券会社の商品であるため、知識、商品展開をどちらをとっても専門に販売している会社には及ばないという現状があります。いわゆる「餅は餅屋」なのです。

銀行は苦しい

マイナス金利


現在の日本では、異次元金融政策と呼ばれるマイナス金利が導入されています。
マイナス金利とは市中銀行(私たちが普段使う銀行のことです。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など。)が日本銀行にお金を預ける時の金利がマイナスであることを言います。

つまり、ものすごく簡単に言うと、本来お金を預ければ利息によってもらえるお金が、マイナスであることによって日本銀行にお金を払わなければならないいうことです。

これによって市中の銀行は稼ぎの一つを失いますから(むしろマイナス)、先ほどの主な業務である、預金業務、融資業務、為替業務、そして金融商品の販売などを、より頑張らなくてはいけない、ということになるんです。

この中でも、マイナス金利によって最も大きな影響が出るのが融資業務です。日本銀行と市中銀行の金利が低くなればなるほど、融資をする際の金利も下げなくてはなりません。融資した際の受け取る金利は、そのまま銀行の稼ぎになりますから、稼ぎが少なくなる、ということになります。

どんな企業でも、個人でも、入ってくるお金(収入)が少なくなれば苦しくなるのは当然ですよね。

最近では、銀行に口座を持っているだけで口座管理料を取られるようになるかも知れないという記事が新聞にも出ていたので、その苦しさが伺えます。

お金を預けてても全然利息はもらえない上に、口座があるだけでお金を取られるなんてたまったものではないですね!

一極集中化による資金流出


現在日本では、日本全国の人口は減少傾向にあるのにも関わらず、東京の人口だけが伸び続けている「一極集中化」の状態にあります。

つまり、生まれた地元や育ったところで過ごす人は減ってきていて、どんどん東京に人が集まってきているということです。

若者は特に夢を持って東京に出て行くことが多いと思いますね。私も地元に戻りたい気持ちもありながら、東京に行けば何かある!と思って上京した例外ではない一人ですね(笑)

以下の図を見ていただければ、どれだけ東京に人が集まっているのかわかると思います。

国税調査より引用



これと地方銀行が潰れることに何の関係があるの?と思われるかも知れませんが実は関係大ありなのです!

私は1年程東京へ住んでいたのですが、会った人の中では東京出身の方よりも地方出身の方の方が多いと感じました。私がお会いした方は同年代か、ある程度年の近い方が多かったのですが、ここに大きなカラクリがあります。

東京に移住する方は年配の方よりも、若者の方が多いのです。(何を当たり前のことを笑)年を取ってから東京へ移住するという方は0とは言えませんが若者に比べれば相当少ないです。

これが何を表すか、答えはズバリ相続の発生です。

東京で過ごしていれば、「俺は(私は)地元を愛しているから、手数料を取られても地元の銀行を使い続けるんだ!」という人以外は、(出会ったことはありませんが)3大メガバンクや、都市の銀行に口座を作ります。

親や祖父祖母が地方銀行に預けていた資金が、相続によってこれらの銀行に資金が流れます。つまり、地方銀行から資金が流出するのです。

先ほども言ったように、銀行の稼ぎは貸し出しによる利息が収益の大部分を占めますから、資金力がなくなることはとても痛いことなんです。

人口が一極集中する→相続が発生する→地方銀行にあったお金が都市銀行へと流出する→資金力が低下するため地方銀行は苦しい。ということが言えます。

かつて経営破綻、国有化した地方銀行


過去、資金流出以外の理由で銀行が相次いで経営破綻、国有化した時期があります。

  • 1998年北海道拓殖銀行
    • 北海道の都市銀行。バブル期に不動産などへの過剰融資で不良債権が増加し破綻へ。
  • 同年 日本長期信用銀行
    • バブル期に抱えた不良債権により経営破綻、一時国有化
  • 同年 日本債券信用銀行
    • バブル期に抱えた不良債権により経営破綻、一時国有化
  • 1999年国民銀行
    • 債務超過の検査結果を金融庁から受けたことにより信用不安が生まれ、預金流出
  • 同年 幸福銀行
    • 大阪の地方銀行。バブル崩壊がささやかれていた中でも融資を続け、不良債権により破綻
  • 2002年中部銀行
    • 静岡の地方銀行。バブル期に抱えた不良債権により経営破綻。

今回挙げた銀行は一部ですが、非常に多くの銀行がバブルが崩壊した後、不良債権に耐えきれずに経営破綻してます。破綻後は、他の銀行に譲渡されたり買収されたりと様々ですが、預金で保証されるのは1,000万円までですし、銀行員も今ままで通り働くことはできなかったでしょう。

(ちなみに。。。不良債権とは、回収が困難になった、もしくはその可能性がある貸し付けたお金のこと。国有化とは、銀行の資本金の全額または、過半数を政府の所有に移すことです。)

この時はバブルが崩壊したからだろ!バブル崩壊くらい大きな出来事がなければそんなに簡単に潰れはしない!

という声が聞こえてきそうですが、バブル崩壊に迫る魔の手が、実はすぐ後ろに潜んでいるんです。

それが、先ほど説明したマイナス金利と人口の一極集中化なのです。

AIが奪う銀行業務


三菱UFJフィナンシャルグループのデジタル企画部長である相原寛史氏は、「銀行業務の4割が、AIによって奪われる可能性がある」という旨の発言をしています。

確かに、先ほど紹介した銀行業務はAIにとって変わられる可能性が非常に高いと言えます。では、その4割の業務とはどう言ったものなのでしょうか。

最速は窓口!?


この中でも、私が考える真っ先に消える業務が、事務や接客といったものです。銀行に来店する人はある程度目的が決まっています。口座を作りたいのか、振り込みをしたいのか、融資を受けたいのか、金融商品を買いたいのか。

この区別について、わざわざ人間が対応し、番号札を配って待つ必要はなくAIを搭載したタッチパネルなどを利用すれば、スムーズに、かつ人件費をかける必要なく済ませることができます。

金融商品の販売など専門的な知識が必要な業務も!


更に、一見専門的知識と経験が必要と思われる金融商品の販売などもAIで完結できる可能性が高くなっています。

損害保険、生命保険も金融商品に分類されており、銀行の窓口でも販売されています。投資信託などの運用を助言するロボット・アドバイザーが話題になりましたが、保険の販売においても AIの波は近づいているようです。

2018年1月30日付の日本経済新聞によると

三菱UFJフィナンシャル・グループ子会社のジャパン・デジタル・デザイン(JDD)は、必要事項を入力すると最適な保険の組み合わせを自動で提案する新サービスを開発した。投資信託などの運用を助言する「ロボットアドバイザー」の保険版。

このように、AIがあらゆる場面で人間の仕事を奪っていると言えます。少なからず自分の収益が気になる営業マンよりも、AIやロボットの方がよほど合理的なので、私が客の立場なら明らかにAIやロボットにお任せ!ですね。

中間管理職も危ない?管理や監査までも


書類のチェックなどを行う、いわゆる監査や管理と呼ばれる仕事も近いうちになくなる可能性が非常に高いです。

何かサイトやアプリなどに会員登録をする時、必要事項が抜けている場合は次のページに進まなかったり、抜けている部分だけ文字の色が変わったり、「入力してください」という文字が出たりした経験はありませんか?

つまり銀行の内部で、営業マンから書類をもらって、知識や経験を元に不備がないか確認する重要な仕事が全て電子化によって完結してしまうのです。実際に人間による書類チェックを段階的に廃止していく会社もあるようです。

もはや最重要ともいえる業務が、なくなる可能性が高いとはなんとも皮肉なものですね。

メガバンクの人員削減


メガバンクでも大幅な人削減が発表されたのは記憶に新しいですね。

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループでは、2023年度までに9,500人の人員削減
  • みずほフィナンシャルグループでは2021年度までに8,000人、2026年度までに1万9,000人
  • 三井住友フィナンシャルグループでは2020年度までに4,000人

の人員削減を発表しています。新聞にも取り上げられており、注目度は非常に大きくなっています。

2017年10月29日付朝日新聞の記事はこちら

近年ではインターネットバンキングも主流になりつつあり、通帳さえ持たずアプリ管理する人もえています。このことから、店舗を構える必要性が低くなっています。

実際ご紹介したメガバンクでは、人員削減に加えて店舗の削減を発表しています。

タイトルには「リストラ」と書きましたが、今現在働いている方が首切りになるわけではなく、退職者と採用で調整するようです。ただし、あくまでもこの朝日新聞の記事を信用すれば、です。

しかし私は、あくまで「正社員は」という条件付きだと考えています。パートや派遣社員、契約社員の方はリストラされる可能性は少なからずある、と考えるのが妥当だと思います。

また、この朝日新聞の記事が全てで、正社員は安全ということも言い切ることはできません。今後方針を変える可能性も十分に考えられますし、リストラにならないまでも給料の減額ということも十分に考えられます。

代替可能な仕事はAIやロボットの進化で次々と代替されていきます。転職市場における銀行員の数はここ1年で3割ほど増加傾向です。銀行で働いた経験を活かし、金融関係に転職する人もいれば、金融とは全く関係のない業界に進む人もいるようです。

自分の現在の職業に不安を覚え、疑問を持った人たちが転職市場に増加しています。実際現場で働いていた人が危機感を感じているわですから、今後銀行に就職したいという方は本当に安全なのか検討してみる必要がありますね!

参考:2018年5月12日付の日本経済新聞

もはや現在の日本では終身雇用という考え方はなくなりつつあります。転職を行い、自分によりあっている仕事、よりやりがいのある仕事、現在の仕事の将来の不安感など。常に広い視野を持ち、人より1歩先を見て生きていきたいですね。

銀行は一生安泰ではなくなった



将来の安定、安泰といえば公務員や銀行員と考えるかもしれません。現在就活中の学生の親世代ならばこういった考え方をする方が多いかもしれません。

「じゃあどんな仕事に就けば将来は安泰に過ごせるんだ!」

とお思いの方もたくさんいらっしゃると思いますが、結論から言わせてもらえば、安泰な仕事なんてないということです。(あくまでも個人的な意見です)現在の仕事は半分ほどなくなるなんて言われてる世の中です。こんな激動の時代に定年まで安泰と言い切れる仕事があるでしょうか。

(AIやロボットとこれからの仕事についての記事はこちらから)

つまりこんな世の中なので、会社に入れればOKという人にとっては、なかなか厳しいでしょうね。先ほどもお伝えしたように、1歩先を見て行動する必要がありそうですね。

まとめ



ここまでのことをまとめると

  • 銀行は、マイナス金利の影響で日銀に預ければお金が減る上に、融資の時の利息が少なく儲けが少ない。
  • 特に地方銀行は、人口の一極集中化で資金が流出して苦しい。
  • AIが4割もの銀行業務を人間から奪う可能性がある
  • メガバンクが人削減を発表している。
  • 銀行=安泰の方程式はもう成り立たない。

といったことが言えると思います。

銀行は定時で帰ることができるし、給料もいいし、将来安泰だし。と考えて就活をしている方や、やっと入れた銀行で「よーし頑張って行くぞ!」と考えている方にとっては、そんな話するなよと言われてしまいそうですが、あくまでも個人的な意見として受け取っていただいて結構です。

ただ、現在のマイナス金利の状態や、人口の一極集中化といった現状を分析した上、新聞やネットでも賑わっている話題ですのである程度信ぴょう性はあるのではないかな?と思っています。何かの参考になれば幸いです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

コメント

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