元証券マンが教える新卒は証券会社を選ぶべき理由と2年以内に辞めるべき理由

これからを生きる


私は大学卒業後、新卒で証券会社に入社しました。

証券会社は1年半ほどで退職し現在は転職しておりますが、新卒の就職活動で証券会社を選んだことは人生で最良の選択だと感じています。

また、退職したことにも微塵の後悔もありません。

一見全く逆の意見に見えますが、これには一連の流れがあり、そしてそうすると判断するに至った、しかるべき理由もあります。

現在就活中の大学生には、元証券マンの一意見として参考にしていただければとも思いますし、現在証券会社で働いている人にはやや否定的な意見も述べますが、あくまで参考程度に考えていただければと思います。

それではまず、新卒で証券会社を選ぶべき理由から解説していきます。

最新の情報に常に触れられる


あくまで個人の情報収集の程度によりますが、日経平均、NYダウ、為替相場、それらを含めた世界の経済動向などに日々触れることになります。

朝は通勤時間に日経新聞を読み、会社に着いたら新聞の読み合わせがあります。自身の株式相場の見通し、経済動向の見通しなどを発表する時間です。

私は証券会社を辞めた今でも、日経新聞をを読んでいます。むしろ、証券会社にいたころより読んでいるかもしれません。

株式の見通しをお客様にお伝えするときは、これからを予測します。今後その業界が発展していくのか、衰退していくのか、はたまた、業界自体は縮小に向かっているが、特定の会社だけは拡大傾向にあるのか、という将来の予測を立てる練習にもなります。

ロバートキヨサキさんの著書「金持ち父さん、貧乏父さん」でも書かれていましたが、勉強するために仕事をする、という目的においては最高の職業ではないかと思います。

現在は無料で、いくらでも有益な情報を仕入れることができますし、実際日経新聞に限らず、新聞というメディアは今後縮小の傾向に向かうと思いまが...

私も早めに解約しなければなりませんね。

まぁこの話はまた別の機会にするとしましょう。

投資という言葉に抵抗がなくなる


日本では教育の制度上、金融リテラシーが欧米諸国に比べて非常に低い傾向にあります。

皆様は、「投資」という言葉を聞くとどういったイメージをお持ちでしょうか。

「怪しい」

「詐欺」

「損しそう」

「元手がなければできない」

このようなワードが思い浮かぶのではないでしょうか。

しかしながら証券会社では、毎日株式や債券投資信託といった投資商品に触れ、お客様に紹介するわけですから、否が応でも学ぶわけです。

私はこのサイトで、「リスクは無知の中にこそ存在する」と何度もお伝えしてきていますが、情報を取ることで自分のこれからの人生のリスクを減らしていくことができるということになります。

こと資本主義市場では、株式という制度について知っていることは百利あって一害なしです。

そして、証券マン同士で飲みに行ったり、話し込んだりすると、投資をしない方が悪だとか、早く自分でも株を買いたいなどといった会話になることが多いです。

証券会社に就職すると、投資が「良くわからないもの」から「しなければならないもの」という考え方に変わってきます。

私も例外なく「投資」という言葉への抵抗がなくなり、投資はしなくてはならないものであるという認識になりました。

そして私の場合、株式や為替相場への投資はもちろんそうですが、知識が最大の資産であることを学び、いわゆる自己投資がいかに重要なことであるかということに気付くことができました。

ですから、まず、「投資」というワードに抵抗感をなくすという意味においては、証券会社は最高の職種である言えるでしょう。

銀行ではダメなのか?


結論から言うと、証券会社ほど良くはないと考えています。

もちろん賛否両論あると思いますし、何も批判があればコメントしていただければと思います。

私自身銀行で働いたこともなく、銀行マンと話す機会が少しあったくらいなので、あくまでイメージの枠を出ませんが、証券会社ほどお勧めできない理由を説明していきます。

銀行は資産を守る立場


証券会社と比べると、銀行はどちらかといえば、資産をなるべくリスクにさらさず安定的に運用していくことを推奨しています。

為替部門のトレーダーとなれば話は別ですが、リスク商品の勉強という面においては証券会社で働くのと比べるやはり劣ってしまいます。

最近でこそ、投資信託を販売するようになりましたが、投資信託に組み込まれている株式の知識については、毎日株式に触れている証券マンと比べれば情報量の差は歴然でしょう。

そして、リスク商品の知識が学びづらいということは、投資という言葉への抵抗感は証券マンほどぬぐい切れないのではないと考えられます。

そもそもの業務が違う


突然ですが、皆さんは人にお金を貸したことがあるでしょうか?

ないと答える人がそれなりにいらっしゃるかもしれませんが、実は銀行に口座があり、預金をしている人ならば実は全員お金を貸しています。

よく分かりませんよね。

実は、銀行は言葉は悪いですが「金貸し屋」なんです。

皆さんが普通預金や定期預金をしているお金で、企業へ融資をしていたり、車のローン、家のローンの時にお金を貸しています。

今の銀行の普通預金の金利は約0.001%(100万円を預けて10円程度)となっています。

これは、お金を貸してくれている皆様へ払わなければならない利息です。

ローンや融資で取る利息と、皆さんに払う利息の引き算で儲けているのです。

これを間接金融と呼びます。

対して証券会社は直接金融と呼ばれ、企業が資金調達をする際に株式や債券を発行しますが、これを投資家に紹介し、その情報量として手数料などを受け取っています。

簡単に言えば、銀行は又貸し、証券会社は単なる仲介業といったところです。

ですから、銀行は世間の金利状況などをを知っておけば何とかなりますが、証券会社では、世間の金利に加え、企業単位の情報も仕入れなければならないというわけです。

ここには圧倒的な情報量の差が出るといえるでしょう。

銀行をディするつもりはありませんが、客観的に見てこのような見解が生まれました。銀行についての記事も書いておりますのでこちらからお読みください。

証券会社を選ぶべき理由のまとめ


ここまで挙げてきた、新卒で証券会社を選ぶべき理由をまとめると

  • 常に世の中の動きを把握できる
  • 情報を収集する癖がつく
  • 資本主義市場では必須の情報である株式についての知識がつく
  • 投資という言葉に抵抗がなくなる
  • 同じ金融だが、銀行員よりも吸収できる知識量が多い

といったところです。

また補足するとすれば、東洋経済新報社の業界地図でも、毎年業界全体の平均年収は700万円程度とされており、他業種に比べて平均年収が高いのも魅力の一つです。

私の働いていた証券会社でも、相当いい成績を残せば、20代後半で年収1,000万円は達成できました。

そして、今回は営業での経験をもとに、そして営業に配属される前提で書いていますので、ディーラーやアナリストなど、特別なスキルを必要とする職業ではないので、就活でも比較的受かりやすいといったことも大きな特徴の一つです。

他業種の、大手広告代理店や大手商社などと比べれば、比較的入りやすいといえるでしょう。

証券会社を2年以内に辞めるべき理由


先ほどから説明しているように、仕事はあくまで勉強のためという前提で話します。

見出しでは2年以内としていますが、先ほど証券会社を選ぶべき理由のまとめで書いた

  • 常に世の中の動きを把握できる
  • 情報を収集する癖がつく
  • 資本主義市場では必須の情報である株式についての知識がつく
  • 投資という言葉に抵抗がなくなる

これらが達成できれば1年でも、短ければ短いほどいいと思っています。

ではなぜそのまま働くのではなく辞めるべきなのか、その理由を解説していきます。

業界の将来性がない


野村証券や大和証券など、いわゆる対面型の証券会社は今でも大きな利益を上げ続け、日本の平均年収ランキングでも上位に入ります。

しかし、インターネットやSNSが普及した現代、対面型の証券会社を使うメリットは感じられません。

オンライン証券と対面型の証券会社を比較したときに、圧倒的に差が開いてしまうのが手数料です。

対面型の証券会社が、電話で注文を受注し売買を行うと、その仲介手数料だけで1%程度の手数料が取られます。

対して、オンライン証券は10万円以下の約定なら手数料が無料だったり、それ以上の金額でも0.1%付近であったりと、文字通りけた違いなのです。

オンライン証券でも、レポートやチャートのアプリなど、十分すぎるコンテンツがありますし、わざわざ担当者に話を聞かなくても、自分で情報収集をすることは可能です。

勝ち続けている投資家は、担当者に話を聞いて「はい、買います」というような受動的な方はほとんどいないはずです。

情報に受動的な投資家は、やはり負けている人が多いと思います。そして、情報に能動的な、勝っている投資家はオンライン証券に流れていくはずです。

すると、対面型の証券会社の顧客は、負けている投資家ばかりになります。そうすれば、投資に充てられる金額も少なくなりますので、対面型の証券会社は稼ぎの大部分である手数料を今までほど得ることはできなくなります。

また、オンライン証券が普及し始めたのは、ここ15~20年の間です。

15~20年前となると、スマホもなければ、一家に一台当たり前のようにパソコンがある時代でもありません。

私の証券マン時代のお客様は7割以上は70歳以上の高齢の方でした。

資産を多く持っているのはその世代なので仕方のないことなのですが、これからはどうでしょう?

今70歳以上の世代の方が、今からスマホやパソコンを覚えて、株取引をするというのは考えにくいですが、現在60歳付近の世代の方はスマホを使っています。

この方たちが、一度株取引をオンラインで覚えたら対面型の証券会社に移すという選択肢はなかなか考えづらいものがあります。

もちろん証券会社の利益は手数料だけではありませんが、大きな収入減が徐々に少なくって行くと考えられるので、非常に業界的に先細っていくのではないかと考えられます。

経験のないことアドバイスする


突然ですが皆様が野球部だとします。

今までバスケットボールしかしてこなかった人が、野球の技術の指導をし始めたらどう思うでしょうか?

私であれば練習メニューを決められるのも嫌ですし、技術の指導に関しては口を出さないでほしいです。

実は証券会社で働くには外務員資格という資格が必要で、外務員資格を持つものは、株式を持ってから3か月は売ることができないというルールがあります。

これは、顧客の利益を最優先にしなければならないという大前提に基づいているのですが、証券会社では、「日計り」と言って、1日の間で株式を買いも売りも決済して利益を求める取引があります。

外務員自体は3か月持っていないと売れないのに、です。

3か月程での取引は一般的に中期的な取引と呼ばれ、1日単位の取引は、短期売買と呼ばれますが、この中期的な取引と短期取引では、使う手法、技術が全く違います。

私は今、FXの取引を短期売買で行っていますが、全く別物です。

それが、野球とバスケットボールほど違うということです。

このことから自分自身のプラスになる部分も少なく、お客様にも自分が経験していないことを情報として提供しなければならないという部分に疑問を覚え、私は退職しました。

2年以内で辞めるべき理由のまとめ


証券会社を辞めるべき理由を挙げました。

これらをまとめると

  • 対面型の証券会社は将来がない
  • 手数料が高く、オンライン証券が台頭してきている
  • 自分の経験にないことをアドバイスする立場になる
  • 将来トレードをするとした場合、自分のプラスになりづらい

といったことを書いてきました。

今回の記事は、新卒の方や、現在証券会社で働いている人以外は、参考にもなりませんし、あてはまる人においても大分極端な意見になりますので、受け入れがたいこともあると思います。

あくまで個人の意見として参考までにとらえていただければ幸いです。

それでは読んでいただきありがとうございました。

コメント